こんにちは。グロースコンパスの牧です。
「POSレジを導入したい」「予約や会計の業務をもっと効率化したい」「データを活用して店舗経営を改善したい」。
そんな飲食店のデジタル化を後押しする制度のひとつが、「デジタル化・AI導入補助金2026(旧:IT導入補助金)」です。
一定の要件を満たす中小企業・小規模事業者等が、対象となるITツールを導入する際、その経費の一部について補助を受けられる制度です。
ただし、「飲食店なら何でも補助対象になる」という制度ではありません。
申請する枠や導入するITツール、事業者の要件などによって対象になるかが変わります。
この記事では、飲食店ではどのような活用が考えられるのか、補助額や申請の流れとあわせて、できるだけわかりやすく整理します。
目次
デジタル化・AI導入補助金2026とは

デジタル化・AI導入補助金2026は、中小企業・小規模事業者等がITツールを導入し、業務効率化や生産性向上などに取り組むことを支援する補助金です。
2025年度までの「IT導入補助金」から名称が変わり、2026年度は「デジタル化・AI導入補助金」として実施されています。
飲食店の場合、日々の営業だけでも、会計、受発注、予約管理、勤怠管理、顧客管理など、さまざまな業務があります。
こうした業務をデジタル化すると、単に「紙をパソコンに置き換える」だけでなく、入力作業の削減や情報共有の効率化、店舗データの活用などにつなげられる可能性があります。
どの枠を利用するかによって対象となるITツールや補助額・補助率が異なるため、まずは「自店で何を改善したいのか」を整理するところから始めるのがおすすめです。
対象者・対象になる飲食店

飲食店も、要件を満たす中小企業・小規模事業者等であれば、デジタル化・AI導入補助金2026の対象になり得ます。法人だけでなく、要件を満たす個人事業主も対象になり得ます。
ただし、申請には事業者の規模などを含む各種要件があり、単に「飲食店を経営している」というだけで対象になるわけではありません。また、申請前の準備として、「GビズIDプライム」の取得や、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施する「SECURITY ACTION」の宣言などが必要です。
補助対象経費・飲食店での活用例

では、飲食店ではどのようなものに活用できるのでしょうか。
たとえば、対象として登録されたITツールであれば、次のような用途が考えられます。
- POSレジ・会計システム
- 受発注システム
- 顧客管理システム
- 予約管理システム
- 勤怠・労務管理システム
- 売上や経営情報の管理・分析に利用するシステム
- インボイス制度への対応に必要な会計・受発注・決済関連ツール
飲食店では、「レジ」「予約」「会計」「勤怠」などを別々に管理しているケースも少なくありません。
ITツールを導入することで、これまで手入力していた作業を減らしたり、店舗に散らばっていた情報を経営判断に使いやすくしたりできれば、日々の管理業務を見直すきっかけになります。
また、インボイス枠(インボイス対応類型)では、一定の条件のもと、ソフトウェアだけでなくPC・タブレット等やレジ・券売機等のハードウェア関連費も補助対象になり得ます。
一方で、導入したいシステムや機器なら何でも対象になるわけではありません。
対象となるITツールや経費には条件があるため、申請前に必ず公式のITツール検索や公募要領で確認しましょう。
補助額・補助率はどのくらい?

補助額・補助率は、申請する枠によって異なります。
たとえば通常枠では、2026年度の補助額は5万円以上450万円以下の範囲で設定されており、導入するITツールの業務プロセス数などによって区分が分かれます。
補助率は原則1/2以内で、一定の賃金要件を満たす場合には2/3以内となるケースがあります。
一方、飲食店でも検討しやすいインボイス枠(インボイス対応類型)では、ITツールの補助額は最大350万円。50万円以下の部分については3/4以内、小規模事業者は4/5以内、50万円を超える部分については2/3以内となっています。
さらに一定の要件を満たす場合、PC・タブレット等は補助額10万円まで、レジ・券売機等は20万円までが対象となり、補助率は1/2以内です。
制度内容が変更される場合もあるため、実際に申請する際は必ず最新の公募要領・公式サイトをご確認ください。
申請の流れ・スケジュール

「補助金って、何から始めればいいの?」という方も多いと思います。
大まかな流れとしては、次のように進みます。
1.自店の課題を整理する
まず、「何を導入するか」より先に、「何に困っているのか」を整理します。
たとえば、「レジ締めや転記に時間がかかる」「受発注をもっと効率化したい」「売上データを経営改善に使いたい」といった課題です。
2.GビズIDプライムを取得する
申請にはGビズIDプライムが必要です。取得していない場合は、早めに手続きを進めます。
3.SECURITY ACTIONを宣言する
GビズIDプライムに加えて、IPAが実施する「SECURITY ACTION」の「★一つ星」または「★★二つ星」の宣言が申請要件となっています。
4.導入するITツールとIT導入支援事業者を選ぶ
補助対象となるITツールを確認し、自店の課題に合うものを検討します。
5.交付申請を行う
必要な情報を準備し、IT導入支援事業者とともに申請手続きを進めます。
最終的には申請者自身が入力内容を確認し、宣誓のうえ事務局へ提出します。
6.交付決定後にITツールを導入する
ここは特に注意したいところです。原則として、交付決定前に契約・発注・支払い等を進めてしまうと補助対象にならない可能性があります。
「どうせ導入するから」と先に契約してしまわず、必ず公募要領で手続きの順番を確認しましょう。
2026年度は複数回の申請締切が設けられています。最新の締切や今後の公募スケジュールは公式サイトで確認してください。
申請でつまずきやすいポイントは?

補助金申請というと、どうしても「書類をどう書けば採択されるか」に目が向きがちです。
でも、その前に整理しておきたいのが、「なぜそのITツールを導入するのか」です。
- 課題と導入目的がつながっていない
たとえば、「AIが流行っているから導入したい」だけでは、自店にとっての必要性が見えにくくなります。
「日々の集計作業に時間がかかっている」「店舗ごとの数字をまとめるのに手間がかかる」といった現在の課題を整理し、その課題に対してITツールをどう活用するのかを考えておくことが大切です。 - 補助対象になると思い込んで先に購入してしまう
欲しい機器やサービスが、そのまま補助対象になるとは限りません。
また、交付決定前に契約・購入等を進めることで対象外になる場合があります。
導入を急ぎたいときほど、先に「対象ツールか」「どのタイミングで契約できるか」を確認しておきましょう。 - GビズIDなどの事前準備が間に合わない
申請書を書き始めてからGビズIDが必要だと気づくと、締切に間に合わないことがあります。
補助金の活用を少しでも考えているなら、申請要件や必要なアカウント・手続きを早めに確認しておくことが重要です。
はんじょうびとでのサポート
「補助金を使えそうなのはわかった。でも、自分の店がどの制度・申請枠に合うのかわからない」
実際には、ここで迷う飲食店経営者の方も多いのではないでしょうか。
はんじょうびとでは、事業者の状況や導入したい内容などをもとに、利用できる可能性のある補助金について条件マッチングを行います。
さらに、補助金の活用を検討する場合には、中小企業診断士による申請サポートにも対応しています。
大切なのは、「補助金があるから何かを買う」のではなく、まず自店の経営課題を整理し、その解決に必要な投資を考えること。
補助金は、その投資を後押ししてくれる選択肢のひとつとして考えるのがよいでしょう。
まとめ|飲食店のデジタル化は「何を改善したいか」から考えよう

デジタル化・AI導入補助金2026について、飲食店経営者が押さえておきたいポイントをまとめます。
- 飲食店も、要件を満たせば補助対象になり得る
- POSレジ、会計、受発注、予約・顧客管理などのITツールに活用できる場合がある
- 通常枠は補助額5万円以上450万円以下、インボイス枠(インボイス対応類型)はITツールについて最大350万円が目安
- 申請にはGビズIDプライムやSECURITY ACTIONなどの事前準備が必要
- 「補助金ありき」ではなく、自店の課題と導入目的を先に整理することが大切
なお、補助金は審査制であり、申請すれば必ず採択・交付されるものではありません。
また、補助額・補助率・対象経費・申請要件・公募スケジュールなどは変更される可能性があります。
申請を検討する際は、必ず最新の公式情報をご確認ください。
出典:トップページ |デジタル化・AI導入補助金2026|中小企業庁
